今週の専門コラム 「アクティブメンタル®体制でつくる収益と笑顔」 第10話: 社員がイキイキ働く職場に存在する第2のコミュニケーション

「うちの会社は、朝礼から始まって会議も頻繁に行っているし、社内のコミュ
ニケーションはよくとれている方だと感じているよ。だが、なかなか部下のメ
ンタルヘルス不調などちょっとした変化に気が付かないことがあって、対応が
遅れることもある。それをどうにかできないものかと考えている。」

この会社では復職制度があり、産業医ともきちんと連携しているので、たとえ
メンタル不調の社員が出てしまったとしても、その後のフォロー体制がしっか
りしているのですが、経営者としては、社内のコミュニケーションが活発なの
に、どうして早期に気づいて防げないのだろうかと悩んでいるのです。

確かに会議を開催する回数が多ければ、その分、顔を合わす回数も増え、互い
の仕事の進捗状況などを確認できるわけです。的確な指示も出せれば、何か困
難を抱えていたとしても、それを回避するための手を早めに打つことも可能に
なります。

つまり、報連相がきっちり出来ているというわけですが、残念ながら、会議が
多いことイコール、コミュニケーションが活発というわけではありません。

職場でのコミュニケーションには、実は2種類あるのです。1つは、業務に関
連したコミュニケーション。この会社では会議が頻繁で、この1つ目の業務に
関するコミュニケーションは活発に行われています。参加者それぞれ、立場も
担当業務も異なれば、その管理者、実務担当者として、ある意味「ペルソナ(仮
面)」を持って参加し、会話しています。

一方で、2つ目のコミュニケーションは、業務にあまり関係のないコミュニケ
ーションのことです。非公式なコミュニケーションでもあります。例えば、わ
かりやすくいうと、「会社が認めた社内のクラブ活動のコミュニケーション」、
「通勤の沿線が同じ仲間で定期的に行っている飲み会でのコミュニケーション」
あるいは、日々、喫煙室やカフェテリアなどで行われているコミュニケーショ
ンのことです。

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非公式なコミュニケーションが生まれる社員交流の場
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社員がイキイキ・仕事に熱中する職場には、このような非公式なコミュニケー
ションが存在します。といって、社内でクラブ活動を行う、飲み会を行えばよ
いというものではありません。また、業務時間内に非公式なコミュニケーショ
ンが多いというのも、それはそれで間違いなく問題です。

ですが、このような交流の場は、仕事上の立場を取り払って同じ職場で働く仲
間の意外な一面を見ることができる、上下関係なしに「つながる」ことができ
る重要な場でもあります。このつながる場、非公式なコミュニケーションこそ
が、ペルソナ(仮面)をはずした会話が成り立つ場でもあり、リラックスした
状態での関わりを生むため、メンタルヘルス不調などに気づくきっかけとなる
場合も多いのです。

実は今、この「つながる」という感覚を持てない職場は大変多いのです。以前
は会社が主催する「運動会」や「社員旅行」があった時代もありました。今で
は、そのようなイベントは若手社員が参加しないという理由でしだいになくな
ってしまいました。確かにこのような一大イベントは、準備や実施に相当な労
力や費用もかかるため、復活させるにはリスクも伴います。

ですが、このような一大イベントを主催するという方法ではなくとも、非公式
コミュニケーションを活性化する方法はいくらでもあります。

ただ、このような交流の場、コミュニティづくりには手順というものがあり、
経営者がいきなり外部で得た知識をそのまま社内に実行しようとすると、ほと
んどが失敗します。

つまり、社内に交流の場が育つための土壌づくりというのが必要なのです。そ
もそも、普段から「問題解決型」のコミュニケーションが多い職場であれば、
非公式なコミュニケーションへの抵抗も大きいものです。そのような場合、社
内の抵抗勢力たるや凄まじく、さらには職場内に多大な混乱をもたらしてしま
う可能性すらあるのです。

大切なのは、経営者としてこの非公式なコミュニケーションの重要性と、その
ための社内交流の場を作る、育てるための土壌づくりの大切さを認識し、手順
を追って進めていくことなのです。

いきなり「今年度は、交流の場を作る」と宣言して、仕組みだけ作ろうとして
も、社員の心が置き去りにされていれば、到底理解されるものでも、根付くも
のでもないのです。

さて、御社では非公式なコミュニケーションをする場がありますか?
その重要性を社長自ら、認識していますか?

今週の提言
社員がイキイキ働く職場には、「つながる」コミュニケーションが存在する